個別授業のメリット・デメリット|集団授業との比較と特徴

塾に通おう

学習塾の授業形態の1つである『個別授業』について特徴を紹介します。この授業方法を選択するメリットやデメリット、どのような学生に向いている授業方法か書いてありますので参考にしてください。

今すでに塾通いをしているけれどなかなか成績が伸びずに悩んでいる、塾に通っているけれどあまり理解できていない、これから塾通いを考えていく学生には特に読んでほしいと思います。

私は塾教育に20年以上携わり、今も個人塾の経営者として教壇に立ち指導をしています。どのような学生に個別授業という選択が適しているか、どのように利用するのが最も効率が良いか熟知しています。

塾目線・学生目線からの個別授業の良いところ悪いところを包み隠さず紹介していきますので、これを読んで『個別授業』という授業方法の選択が自分に合っているか考えて今後の塾選びの参考にしてください。

1.『個別授業』とはどのような授業か

『個別授業』は一人ひとりが別の学習をする授業と認識してください。先生1人に対して対生徒1人が習う授業は『マンツーマン』や『個人授業』ということがあります。

『個別授業』は先生1人が数人の生徒を教えることもあります。一般に先生1人が生徒2~3人を教えることが多いのですが、場合によっては5~6人を同時に教えることもあります。生徒一人ひとりは別の机に座っていて、先生が順番に見て回ります。先生の左右に生徒が1人ずつ座って2人が同時に教わるスタイルもよく見かけます。

『個別授業』と一言で表現しても、塾によって同時に教わる人数は様々ですし、1コマ当たりの授業時間にも違いがあります。

2.『個別授業』の授業内容

個別授業の学習内容は様々です。

例えば

・教科書の内容を進めていく授業

・前学年の理解不足を克服していく授業

・受験に特化して対策をしていく授業

など、様々なパターンが考えられます。

ちなみに私の経営する教室では“科目も内容も決まりなし”です。普段は数学の勉強をしているけど、学校の授業がちょっと難しかったから今日は理科教えて!なんてのもOKです。ただし、担当の先生が専門的に指導できる範囲での学習をお願いしています。

集団授業よりも自分がやりたい学習のみに専念して受講できるということは間違いないでしょう。

3.『個別授業』のメリット

ここでは個別授業のメリットを紹介していきます。集団授業と比較して何が個別授業の良さかを理解して今後の塾選びに役立ててください。

(ⅰ)自分に合った学習ができる

個別授業は生徒同士が別の机に着席したり、衝立等で席が区切られていたりするため、他の生徒の学習状況が気になりません。

「集団授業だとなかなか質問できない」という悩みがある人は多いと思います。個別授業であれば、先生に直接質問できる場面が自動的にできますので、声を上げるのが苦手な人でもここでは頑張ってみてください。集団授業よりも質問しやすい環境といえます。

「みんなより解くのが遅くて焦ってしまう」ということもありませんので、自分のペースでじっくりと問題と向き合うことが可能です。逆に、早く学習内容を理解できるようであれば、他の生徒とペースを合わせる必要もありませんのでどんどん先に進むことができます。

「何の勉強をしているか知られるのが恥ずかしい」と考えてしまう学生にも安心です。学習している内容はあなた自身と先生にしか分かりませんので、前の学年の学習を教わるのに劣等感を感じてしまうような人でも受講できます。

このように、他の生徒が周りにいることが気になって学習効率が上がらない人にとって、個別授業の環境はメリットと言えるでしょう。

(ⅱ)先生を交代してもらうことができる

塾では先生と相性が悪かったら交代してもらうことができる場合があります。

先生の良し悪しではなく相性の問題がありますので、友だちが“説明が分かりやすい先生”と評価していても、自分にとっては“説明が分かりにくい先生”なんてことはありえます。

「先生の変更を申し出にくい」と思う人もいるかもしれませんが、成績が上がらないよりは言って代えてもらった方が良いです。あなたの成績が上がらないことは先生にとっても良くないことです。なぜなら『教えていたのに成績を上げられなかった』という評価が残るからです。

それに、学校とは違い授業料を払って塾に勉強の指導をお願いしています。「お客様は神様だ」とまでは言いませんが、お客様の立場の生徒は先生の交代を依頼する権利はあるので、塾長先生に相談してみても大丈夫ですよ。

4.『個別授業』のデメリット

個別授業を受講することにメリットがある反面デメリットもありますので、その両方をよく理解したうえで今後の学習塾選びの参考にしてください。

(ⅰ)他の生徒がいないことに甘えてしまう

個別授業は自分のペースで勉強を進められる反面、そのことに甘えてしまう場合があります。

集団授業のように他の生徒と競争することがありませんので、自分で意欲的に勉強しないとダラダラしてしまいます。ダラダラしていても他の生徒に迷惑をかけることもありませんし、まわりについていけなくなることもありません。

ひとりで勉強できることは大きなメリットでもありますが、この特徴をうまく利用できないとマイナスにも働いてしまうので気を付けてください。

(ⅱ)先生が大学生講師の場合に特に気を付けなくてはならないこと

塾によって様々ではありますが、個別授業では若い大学生講師が担当してくれることが多々あります。大学生の先生もきちんと勉強をして大学に合格しているわけですから学力には全然問題がありません。しかし、自分の“学力”と人に教える“指導力”は別のものです。

また、大学生講師は塾に通う生徒と年齢も近く、親しみやすいため、先生と仲良くなりすぎてしまう場面をよく見かけます。親しい関係をつくることは良いことです。ただし、授業に入れば先生と生徒、そこに明らかな上下関係があることを理解し、先生を信頼して正しい人間関係をつくってください。

このように、若い先生には親しみやすさがある反面、注意しなくてはならない部分もありますので、関係性を大事にしながら付き合っていくようにしましょう。

(ⅲ)集団授業と比べて授業料が高い

個別授業は集団授業と比べて授業料が高いです。

集団授業では先生の講義料金をクラスの人数で負担しているものを、個別授業ではもっと少ない人数で負担するわけですから、当然と言えば当然ではあります。

しかし、個別授業には高い授業料を負担するだけの価値があります。

「料金が安いから」という理由だけで集団授業を選択することは絶対にやめてください。

5.【必読】『個別授業』は難しい!?

塾には授業料を払って通います。特に個別授業は金額も高くなるのは前述の通りです。かかっている授業料分はバッチリその効力を発揮したいものです。

個別授業を最大限に利用するためにはどうしたら良いでしょう。

それは『時間中は先生を質問攻めにする』ことです。

実は“問題を解く”ということは家で一人でもできるので、塾の授業内でやってしまうのは時間面で考えても受講料面で考えてももったいないです。受け身の姿勢はあまりおススメできません。

“問題を解く”ことは家庭学習で済ませ、塾では“分からない問題を質問する”ことが最も効率の良い個別授業の使い方と言えるでしょう。

とは言え、これを実践するためには家庭学習量がそれなりに確保できていないと実現できません。

実際は「集団授業ではついていけないから」という理由で個別授業を選択する生徒が多いのですが、遅れている学生こそ集団授業でついていけるように努力し、自分である程度の学習量を確保できるようになったら個別授業で弱点のみを克服していくのが理想だと思います。

このように個別授業の効果を最大限に発揮するのは実は難しいのです。

ただし、そればかりが個別授業のメリットではありませんので、最終的にこの理想の授業の受け方に近づけていければよいではないでしょうか。

6.【まとめ】『個別授業』はこんな学生にオススメ

今回は個別授業の特徴や、メリット・デメリットを紹介しました。

これをよく頭に入れたうえでこれからの塾選び、受講方法の選択をしてもらえれば良いと思います。

個別授業に向いている学生は

・集団授業だと他の生徒を気にしてしまう

・個別授業なら先生に質問できる

・自分が教わりたいところをピンポイントで習いたい

・若くてハツラツとした先生に教わりたい

個別授業に向いていない学生は、

・他の生徒がいないとダラダラしてしまう

・先生に対して友だちのように接してしまう

・積極的に質問できず受け身の授業になってしまう

というような学生です。

塾の授業方法も様々で、自分により合う方法を選択できる時代です。

自分自身の性格や学習スタイルに合った塾・授業を選択して、通った分だけ成果を残せるようにしましょう。

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