ここでは『家庭教師』についてその特徴を紹介します。
家庭教師を依頼する際のメリット・デメリットや、塾通いと比較をしてどのような点が異なるのかを記載していくので、今後の学習方法の決定にお役立てください。
学校が終わって帰宅してからは自分で学習しているけれど思うように成績が伸びない、塾通いをしているけれど学習内容をあまり理解できていない、塾に通うか家庭教師にお願いするか迷っている学生には特に読んで参考にしてほしいと思います。
私は塾教育に20年以上携わっていく中で家庭教師の経験もしました。
また、家庭教師という形態には絶対的な必要性があると感じ、現在経営している学習塾からも家庭教師を派遣しています。その経験から家庭教師の特徴を余すことなく紹介していくので今後の選択に参考になること間違いなしです。
最後まで読んでいただければ『家庭教師』という選択が自分に合っているのか分かるはずです。
1.『家庭教師』を2つに分けると
家庭教師は約束の時間に家に来て勉強を教えてくれます。
原則として先生と生徒が1対1のマンツーマン形式で授業を行います。
家庭教師はほとんどの場合、家庭教師を派遣する会社から派遣されていることが多いのですが、会社を通さずに個人的に依頼者を募集している先生もいます。まずはそれぞれの特徴を知っておきましょう。
(ⅰ)会社から派遣されてくる家庭教師
テレビCMなどでよく目にする家庭教師です。最近だとアルプスの少女でおなじみですね。
このような会社から派遣されてくる家庭教師の場合には、その会社で定められたルール(授業をする場所、授業に使う教材、授業料など)に則り進んでいくので安心感があります。
いざという時のトラブルにも対応してくれます。例えば、万が一担当の先生が授業を行えなくなってしまっても迅速に他の先生を派遣してくれます。家庭教師の先生と直接トラブルが起こりにくいです。
そのようなサポート体制がある分、会社への仲介手数料が授業料に含まれていたり、初期費用としてかかったりしますので、金銭的負担が大きくなることが多いです。
(ⅱ)個人で募集している家庭教師
以前だと知人に紹介してもらったり、デパートの求人コーナーなどで募集をしていたり、と個人でやっている家庭教師はマッチングにお互い苦労していましたが、今ではネットが発達しているのでSNSや掲示板で家庭教師の先生を見つけることもできるのではないでしょうか。
個人的な契約になりますので、様々な面で融通が利くことが多い反面、何かトラブルがあった際には直接やり取りをしなければならないのが大きなリスクにもなります。
2.『家庭教師』のメリット
ここでは家庭教師のメリットをいくつか紹介します。
家庭教師って良いのか?
塾に通った方が良いのか…実際のところどうなんだろう。悩む。
塾ではなく家庭教師を選ぶメリットはいくつかあります。
これらのメリットをよく理解したうえで今後の選択をしてみてください。
塾通いには塾通いのメリット、家庭教師には家庭教師のメリットがあります。
両方の特徴をよく理解したうえで、あなた自身に合う選択をしていきましょう。
今回は家庭教師を選択するメリットを紹介していくのでじっくり見ていきましょう。
(ⅰ)マンツーマンで教わることができる
基本的に家庭教師の授業では先生と生徒が1対1で授業をします。つまり、そこでおこなわれる授業は完全にあなた1人のための授業になります。
塾の個別授業でも2~3人が同時に教わることも多いので、完全にマンツーマンという状況はそれ以上にプライベートなものにできます。
決められた授業時間中は先生が他の生徒を見て回ることもありませんので、授業の濃密さは塾の個別授業以上のものになります。
思う存分、自分の学習したいことのみを教わることができるでしょう。
このように、1対1でより濃密に先生に見てもらう時間をつくりたいなら家庭教師はおススメです。
(ⅱ)安心できる学習環境で教わることができる
授業をする場所は家のリビングだったり、生徒自身の部屋だったりしますが、自分の家という最も安心できる環境で授業をしてもらうことができるのは大きなメリットです。
家庭教師の先生が異性の場合はリビングで勉強を教わる方が安心かもしれませんね。また、親御さんも家事の間に勉強をしている姿が見えることで、普段は部屋で何をしているか分からない生徒もこの時ばかりは勉強をしている姿を見られるという意味でも安心できるに違いありません。
家庭で学習できることの安心感に利点を感じられるなら家庭教師という選択もありですね。
(ⅲ)通学する必要がない
学校や塾と違ってその場所へ通う必要がないことはとてもプラスになります。
塾通いが片道10分の道のりだったとして、往復で20分、毎週通えば月に1時間以上の時間が移動のために必要になります。この時間、移動がなければ勉強に充てることができるかもしれません。
また、移動があるということは、少なからず事件・事故に巻き込まれる可能性もあります。悪い友だちに誘われて帰り道に遊んできてしまう…なんて可能性もゼロではありません。
移動時間がないことにメリットを感じるなら家庭教師に来てもらう選択は良いと思います。
(ⅳ)他の生徒に会うことがない
特に不登校などの理由で、学校の同級生と顔を合わせにくいという場合には、家庭教師ならその悩みは完全に解消できます。
中には「同級生にバレることなく人知れず学力を伸ばしたい」という理由で塾通いをしないという話もよく耳にします。これも家庭教師ならカバーできます。
このように、他の人に知られることなく勉強を補いたい人にとっては家庭教師という学習方法は良いと思います。
3.『家庭教師』のデメリット
家庭教師は良いとこばかり!
塾通いはやめて、さっそく家庭教師の先生をお願いしよう!
待って!!
前項では家庭教師の良いところばかりを紹介しました。
懸念材料もいくつかありますので、それもちゃんと理解したうえで判断してください。
家庭教師を選ぶことはもちろんメリットだけではありません。
家庭教師を検討していても、デメリットを知って塾通いを選択する場合もあります。
これから紹介することもよく認識したうえで正しい選択をしてください。
(ⅰ)同級生と競争意識が生まれない
家庭教師は先生と1対1のマンツーマン形式ですので、外部との接触がないことが良い方向に作用することもありますが、その逆もありえます。その最たるものが競争意識の低下です。
自分のペースで勉強することができるので、ダラダラしてしまうこともあるかもしれませんし、他の生徒が頑張っていることに感化されるようなこともありません。
同級生と競って高め合うということができないので、同級生の頑張りを自分のモチベーションにつなげることができるような人には家庭教師という閉鎖的な授業は向いていないかもしれません。
(ⅱ)学習環境を整える必要がある
家庭や自分の部屋には、日用品がたくさんあったり、いろいろな音がしたりします。
例えばテレビや漫画が置いてあったり、勉強中でも家族の生活音がしたり、兄弟がゲームをしていたり、飼っているワンコが吠えたりするかもしれません。これらは勉強への集中の妨げになる可能性があります。
塾に通えば先生が学習環境を整えてくれていますが、家庭教師の場合はこの環境を自分で整えないといけません。視界に入って気になるものは事前に片づけておき、生活音については家族の協力も必要になります。
いくら先生が良い指導をしてくれても、勉強に集中できる環境が作れなければせっかくの授業も効率は半減してしまいます。
場合によっては「先生が来てくれるんだから」と、家庭教師の授業の日は念入りに掃除をする保護者の方もいらっしゃいます。「普段の家の様子は見せられない」とお考えになるご家庭では、授業前の掃除や準備でひと手間かかってしまうかもしれませんね。
このように、家庭教師の先生に来てもらうだけかもしれませんが、先生を迎える前に最低限の準備は必要になるのです。
(ⅲ)先生の指導力に差がある
家庭教師の先生の中にはアルバイト講師もたくさんいます。時給単価が高いため、アルバイトとしても人気の職業だからです。
もちろん「大学生のアルバイト講師は指導力がない」などと言うつもりはありませんが、将来教員を目指して家庭教師をしている学生講師と、高時給目当てで家庭教師をしている学生講師では恐らく取り組み方や授業に対する熱意も違ってくるはずです。
家庭教師を本業としているプロ家庭教師、大学に通っている学生講師、副業として家庭教師をやっている先生など、立場も学力・指導力も様々であることは知っておいた方が良いでしょう。
要は、塾よりも先生の『当たりはずれ』が見られやすいです。
やはりプロとして教育に携わっている先生の方が、授業内の指導力だけでなく、年間を通しての計画性やヤル気を出させてくれる話術についてもたけていることが多いです。
相性があまり合わない先生とマッチングした際には先生を交代してもらえる会社にお願いするのが安心かもしれません。
(ⅳ)塾通いよりも授業料が高い
塾の集団授業よりも個別授業、塾の個別授業よりも家庭教師の方が授業料が高くなりやすいです。
同じ授業時間だとしても、集団授業なら10人ほど、個別授業なら2~3人、家庭教師なら1人で授業を受けるわけですから、授業料を受講人数で割ったとしても納得です。
それに加えて家庭教師では、先生が移動にかかる時間の手当てや交通費も負担するケースが多いです。
授業を始める前に高額な教材をまとめて購入する必要があるような話も聞きます。
個人で家庭教師をしている先生の場合は、高額教材費などの心配もありませんし、授業料の交渉もしやすいと思います。
実際に家庭教師をお願いする前に、塾の授業料と比較したり、その地域での家庭教師の一般的な授業料を調べたりしておくようにしましょう。
このような理由から、一般的に塾に通うよりも金銭的な負担が大きくなることは承知しておきましょう。
5.【まとめ】『家庭教師』はこんな学生にオススメ
今回は家庭教師をお願いするメリット・デメリットを塾通いと比較しながら紹介してきました。
家庭教師の先生にお願いする前に、塾通いとの比較もよくしたうえで、これからの学習方法を選択していくのが良いと思います。
家庭教師の先生にお願いするのも、塾に通うのにも一長一短があります。
どちらのこともよく理解したうえで自分の学力向上に合った方法を選択できるようにしましょう。