塾講師の仕事に興味があるけれど「私でもできるかなぁ」と不安になっている人、「私には無理かな」と諦めてしまった人も多いのではないでしょうか。
どんな仕事でも初めてのときは不安だと思いますが、塾講師の仕事に対しては特に難しいイメージを持っている人が多く、敷居の高い職種となっているようです。
塾の先生って面白そうだし時給も高いけど、
人に勉強を教えるって難しそうだし、責任もあって大変そう。。。
もちろん、生徒を目標達成に導くための重要な仕事ですので、いい加減な気持ちや時給目当てだけであれば他の仕事を選んでほしいと思います。
しかし、真摯に取り組めるのであれば、やりがいを感じられ生徒と一緒に自分自身も成長できるとても素晴らしい仕事なのです。
私は塾教育に20年以上、学習塾の代表として個人塾の経営を始めてからも10年以上が経ちました。
多くの先生たちと出会い、彼らを見てきた経験から、このページでは塾講師として求められる能力について紹介していこうと思います。
もちろん、未経験であれば最初は上手くいかないこともあって当然です。
しかし、あなたの努力次第で今後いくらでも『良い先生』になれる可能性があることを覚えておいてください。
また、『学力』と『指導力』は別物であり、高学歴だからと言って必ずしも生徒に教えるのが上手いわけではないですし、逆も然りです。
今回の記事では、塾講師に適している性格や、成功するために必要な力など、塾講師を目指している方に覚えておいてほしいポイントを紹介します。
未来ある生徒を夢や目標の達成に向かって手助けできるような良い先生になれるよう頑張ってください。
塾講師の仕事にはどのような性格の人が向いていますか?
教えるためには何か特別な資格が必要でしょうか。
塾講師の仕事にも向き不向きはあります。
しかし、根気強く継続してスキルを伸ばしていくことが何より重要です。
ちなみに資格などは必要ありませんよ。
1.塾講師の仕事を始めるために必要な資格
実は、学校の先生と違い、塾講師には教員免許の資格は必要ないのです。
しかし、もともと学校で先生をしていて、後に塾に勤めているようなケースも少なくありませんので、教員免許を持っている塾講師も少なくないのかもしれませんね。
ただし、教員免許を持っているから良い先生、持っていないから悪い先生、などということは一切ありませんので、一生懸命働いて良い先生になってください。
2.塾講師として身に付けたい能力
塾講師として身に付けておくと良い5つの能力を紹介します。
後述の塾講師に向いている性格とは違い、これまでの経験で身に付けたものや、これからの経験や努力によって補うことのできる後天的な性質を紹介しています。
これから経験を重ねていくことで身についていく部分もあると思いますが、塾講師として成功していくために早いうちに備えていきたい力と言えます。
(ⅰ)子供好きであること(指導対象年齢)
やはり毎日子供と接していきますので、子供が好きであることは絶対条件とも言えるでしょう。
子供が好きで、授業以外でも生徒に積極的に挨拶をしたり声をかけたり、親しみをもって接することで、生徒も心を開いてくれるのではないでしょうか。
逆に子供が嫌いで接しているようでは、生徒側も敏感に感じ取りますので「あの先生嫌い」に繋がり、塾通いも楽しくない、成績も上がらないと悪循環に陥ります。
どうしても小学生だけ苦手、であれば中高生を指導の対象にして仕事をしていく方法もありますが、指導内容以外の部分で生徒を選んでしまうのはもったいないですし、生徒としっかり向き合っていけばきっと愛情も湧いてくるはずです。
(ⅱ)勉強が好き、これまでに勉強をしてきた
あなた自身が勉強が好き、または学生時代にきちんと勉強を頑張ってきたことは講師として成功するための要因にもつながります。
あなたが今後担当することになるほとんどの生徒は、勉強が嫌いですし、勉強をしても思うように成果が出なかったりもします。
そんなときに、先生が勉強の楽しさを教えてあげられたり、成果が出ないときの乗り越え方を教えてあげられたりすることで次へのモチベーションに繋がります。
そのために、あなた自身が勉強好きだったり、学生時代に勉強で苦しんで乗り越えてきた経験があることで、生徒を励ましたりやる気を出させてあげたりすることができるのです。
逆に自身が勉強をしてきた経験があまりない先生は、いざという時に説得力に欠けてしまうかもしれません。
これから生徒と一緒に新たな勉強を始めてみるのも良いのではないでしょうか。
(ⅲ)教えることが好き、得意であること
相手の年齢に関わらず、人にものを説明したり教えることが好きであると良いでしょう。
あなた自身が勉強ができることと、人に教えることは別です。
あなたが理解した方法で説明しても生徒に伝わらないこともたくさんあります。
人に何かを教えるためにはどのように説明したら伝わるか、伝わりにくい場合には他にどのような伝え方があるかを考え、何度も試行錯誤する必要があるのです。
教えることが好きではない人にとって、何度も繰り返し説明したり、説明方法に頭を悩ませることは苦痛であり、イラつきの原因になったりするので、まずは教えることの楽しさを学んでください。
(ⅳ)コミュニケーション能力があること
人とコミュニケーションをとることが好きであったり得意であることは武器になります。
塾講師の仕事が勉強を教えることであるのは言うまでもありません。
しかし、だからと言って教室に来た生徒と何のコミニケーションもないまま勉強を教えるだけというは少し味気ないものです。
それに、いろいろな話をしてくれる先生の方が生徒の関心も引き付け人気が出るものです。
ほとんどの生徒は授業開始の数分前には教室に来て着席していますので、学校の様子や家庭での勉強の様子などを聞いてあげると良いでしょう。
また、授業中にも特に暗記科目では、淡々と説明をする授業では生徒も飽きてしまいます。
そんなときに、コミュニケーション能力があったり、話の引き出しをたくさん持っていることで、少し退屈な授業内容でも経験談や雑談を交えながら上手に盛り上げることができるのです。
また、塾講師の仕事は、生徒の保護者と話をする機会も少なくありませんので、最低限のコミュニケーションは求められると思っていた方が良いでしょう。
(ⅴ)人前で話すことができる、得意であること(特にクラス授業を担当する場合)
コミュニケーション能力と同時に、人前に立って話せることは将来の強みになります。
塾講師になって最初は個別授業を担当することが多いと思いますが、塾のシステムによっては指導にある程度慣れてくるとクラス授業を任される機会もあるでしょう。
人前で話せること、つまりクラス授業を担当できることは、塾講師として今後のあなた自身の可能性を広げることでもあるのです。
クラス授業を初めて担当する際、生徒がたった5人に増えるだけでもとても緊張するものですが、これまでに人前で話す経験があったり、人前で話すことが得意だったりすると、緊張するクラス授業であっても上手に話せるのではないでしょうか。
どうしても人前で話せない場合はクラス授業を担当するのは難しいかもしれません。
少人数から少しずつ対応人数を増やしていくような機会をつくってもらうか、個別指導に徹してみるという方法も、多様化した今の塾教育では可能だと思います。
3.塾講師の仕事に向いている性格
後半は塾講師としての適性が高い性格を5つ紹介していきます。
ここで紹介するのは、前項の塾講師として身に付けたい能力とは異なり、身に付けるというよりも元々の性格に起因している塾講師に向いている性格・性質を紹介します。
(ⅰ)温厚・気長でイライラしない、怒らない性格
いつも温厚で、生徒に対して冷静に接してあげられるような性格は講師の仕事に向いています。
塾では、生徒が分からないことや苦手なことを教えていきますので、こちらが一生懸命説明しても生徒に伝わらないことも多々あります。
場合によっては同じことを何度も繰り返して説明しなくてはなりませんし、せっかく教えたことをテストで上手くアウトプットできずに間違えてしまう生徒もいます。
宿題を忘れてくる生徒や、授業に遅刻する生徒も中にはいるでしょう。
このように、こちらが思い通りにならなかったときに頭ごなしに怒ったり叱りつけるのではなく、なぜそのような失敗をしてしまったのか、どのように改善していけるのか冷静に生徒の目線に立って生徒と一緒に考えてあげられる性格の方が塾講師の仕事に向いているでしょう。
(ⅱ)責任感が強く、自分の仕事を全うできる性格
責任をもって担当生徒が目標を達成するまで寄り添っていく心構えが必要です。
塾の講師は、目標に向けて生徒と長い期間に渡ってお付き合いをしていくことになり、生徒の目標は同時に指導する講師の目標ともなります。
その目標を達成するためには、指導する講師側も生徒と同じように努力をしなくてはなりませんし、途中で挫折してしまってはいけません。
中途半端な気持ちで講師の仕事をはじめ、自分の都合で授業を欠席する、準備をするのが面倒だから予習を手抜きする、などでは生徒にも塾にも迷惑がかかってしまします。
年度の途中で、担当生徒を残して仕事を辞めるなんていうのはもっての外です。
このような中途半端な気持ち、または時給目当てで仕事を探しているのであれば塾講師の仕事に向いていないので絶対にやめるべきだと思います。
(ⅲ)諦めずに努力を続けられる性格
嫌なこと、辛いこと、思うようにいかないことがあっても継続して努力を続けることが塾講師としてして成功するためには必須です。
塾講師の仕事は初めから思うようにいくことばかりではありません。
いくら準備をして授業をしても生徒に思うように伝わらなかったり、テスト対策授業をたくさんしても生徒が思うようにテストで得点を取ってくれなかったりします。
そんなときでも「次こそ頑張ろう」「もっと努力しよう」と、過去の自分を越えていくだけの努力をしていける性格の人には向いている仕事だと思います。
逆に、思うような成果が得られなかったときに、「もうダメだ」「生徒が悪い」と考えてしまうような性格であれば今後も成果を得られる期待ができませんので、塾講師の仕事は不向きと言えます。
(ⅳ)ポジティブに物事を考えられる性格
前項と似ていますが、塾講師は前向きに物事を考えられる性格であるべきです。
テストで成果が出せなかった際には指導する人間として大きな精神的ダメージを受けますが、それ以上にテストを受けた生徒本人がショックを受けていることは間違いありません。
そんなときにあなたは何と声をかけてあげることができますか。
または次のテストに向けてどんな対策を講じてあげることができますか。
生徒の点数だけではなくそこまでの努力を評価してあげて、次こそ一緒に頑張ろうと、前向きに生徒を導いてあげられるような性格であると良いですね。
「なんでそんな点数しかとれないんだ」と生徒を責めたり、「こんなに頑張ったのに自分には塾講師の仕事が向いてないのかも」とネガティブな方向にばかり考えてしまう先生であれば生徒の士気も下げますし悪影響を与えるだけでしょう。
(ⅴ)仕事にやりがいを感じられる、見いだせる性格
塾講師の仕事にやりがいを感じて取り組める人が良いです。
例えば将来は学校の先生や塾の先生になりたいという夢を持っている人はやはり教職に前向きに取り組める人が多い傾向にあります。
塾講師の仕事はノルマもゴールもなく、あなたのさじ加減で無限に努力をすることができます。
いくら予習をしても「これで完璧」なんてことはありませんし、いくら教えても授業時間が足りなく感じるものです。
そんな仕事なので、残業をしたり、家でも授業の予習をしたり等、時間外でも際限なくいくらでもやることが出てきてしまいます。
その分だけ身になり、授業の質が上がることは言うまでもありませんので、そのような努力ができる人は講師として成長しますし、講師の仕事が向いていると言えるでしょう。
(ただし働きすぎて体を壊さないように…)
塾講師の仕事は時給単価が高く、大学生にも人気のアルバイトですが、必ずしもコンスタントに授業を受け持てるわけではありませんので、実は時給の割には稼げません。
それなのに授業の予習をしたりなど時間外の仕事が必要だったりします。
高時給目当てで塾講師の仕事を始めた人は、やる気のある先生と同じような努力はできないでしょうし、自然と指導力にも差が生まれてくるでしょう。
この仕事に魅力を感じて塾講師をしてほしいものです。
5.まとめ(これだけ読めばOK)
やはり難しい仕事なんでしょうか。
これらのすべてに当てはまる自信なんてないです・・・。
もちろんすべてに該当する必要はありません。
しかし、当てはまる項目が多いほど良いことは言うまでもありません。
塾講師は生徒の将来の一端を預かるとても大切な仕事ですので、中途半端な気持ちで携わるべきではないということです。
今回の記事のないようをまとめてみます。
まずは何といっても仕事を始めるのに専門的な資格等が必要でないこと。
これらの能力を身に付けておくことで、塾講師として仕事がしやすくなり、今後もできる仕事の幅が増やせる期待ができるでしょう。
また、初めは苦手な項目も、仕事をしていく中で身に付けていくことのできる能力が多いです。
塾講師として成功するにはこのような性格に当てはまる人だと良いでしょう。
こちらはどれが欠けても続けていくのが難しいと思いますので、4つ以上の項目に該当していることが望ましいです。
塾講師の仕事は自分の成果が数字として表れ、努力をすることも忍耐することも必要な場面がたくさんあります。
精神的にはもちろん、長時間立っていれば意外にも体力も消耗する仕事でもあります。
授業準備や予習、保護者対応などで時間外の仕事もあるかもしれません。
それなのにアルバイトであれば時給単価の割には思うように稼げません。
ただ、それらすべてを補ってまだ余りあるやりがいのある仕事です。
勉強に悩む学生のために本気で手助けをしてあげたいと思うなら強い信念をもってぜひ挑戦してみてください!